こんにちは。スタッフほりかわです。
今回は 上品で美しい木目・色合いで人気の材、ブラックチェリーについてお話しようと思います。
〇ブラックチェリー
属性:バラ科サクラ属の広葉樹
緻密で滑らかな木肌を持ち、磨くと美しく光るブラックチェリー。
その上、水に強く耐久性にも優れています。
製材したては淡い薄桃色をしていますが、経年変化により最終的には飴色の濃い赤褐色に変わっていきます。
その劇的な変化は使い込むほどに風合いを増し、時を重ねるごとに表情を変える無垢材ならではの魅力を存分に堪能できます。
個体によって違う豊かな表情は、チェリー独特の存在感を強調します。
成長の過程や気候の変化で起こる縮みにより、リップルマークと呼ばれるさざなみ紋が表れます。
チェリーの他にもトチやカキなどにも見られ、さざ波紋の現れるものは銘木と呼ばれ賞用されてきました。
また樹液を多く含んでいる為、樹脂痕による美しい斑点や筋状の模様が入るのも特徴です。
樹木の成長段階において細胞の隙間に滲み出る樹脂が固まって出来たものをガムポケット、立木の時に導管に有機物が堆積してできた物をビスフレックスと呼びます。
木の表面に濡れ出た樹液に集まる虫や鳥たちが樹液を吸うために付けた傷跡を、長い成長過程の間に表皮で巻き込み自己再生した痕をパークポケットと呼びます。
これらの木の表情はキャラクターマークとも呼ばれ、自然素材の証であり流通上は欠点とはなりません。
むしろ、木が長い年月をどのような環境で生きてきたかを使うたび・眺めるたびに想像させてくれるチャーミングポイントになります。
このチェリー材を使用した家具は非常に高い人気があります。
赤みの強い上品で華やかな色もその一つの要素です。
飴色と表現される色合いですが、様々な色が入り混じってそのように見えているので不思議とどのような空間にも馴染みます。
優しく暖かな雰囲気を空間にもたらし、主張しすぎることなく調和します。
無垢材家具で使用されているチェリー材は北米産のアメリカンブラックチェリーの事を指します。
アメリカ東部全域が主たる産地になります。
約30品種と言われる北米産のサクラ類の中でも最高の木材の一つとされています。
家具材のほかにもパイプ材として世界の愛好家から絶賛されているほか、樹皮から咳止め薬が作られたりされてきました。
また木片は燻製のチップ材として使われています。
家具の歴史の中で燦然と輝き、その思想やデザインが後世にも大きな影響を与えたシェーカー家具。
18世紀から19世紀にかけてニューイングランド地方(アメリカ合衆国の北東部6州を合わせて地方)でシェーカー教徒によって創られたものです。
シェーカー家具は余計な装飾を排除し直線的で機能的な美しいフォルムのチェアやテーブルなどが有名です。
潔いまでにシンプルなデザインはモダン家具の先駆けとして多くのデザイナーたちに影響を与え続けています。
スレンダーなフォルムの椅子などはとても200年近く前のデザインとは思えません。
そんなシェーカー家具職人たちも好んでアメリカンブラックチェリーを使用していました。
職人たちは時間とともに深くなるその優美な色調から中南米産の世界的な銘木、マホガニーに匹敵するとしてニューイングランドマホガニーとも呼んでいました。
もともと木目もそこまで大きく主張せず優しい表情のものが多いチェリー材は、木肌が色濃く変化することでその存在感が空間の中でどんどん増していきます。
やみくもに主張するのではなく、徐々に空間に馴染んでいくような穏やかさ。
癒し・安心・安らぎを求める方にはチェリーはうってつけの木なのかもしれません。
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